ITパスポートのツボ 第5回(全5回)
ITパスポートのツボ 第5回(全5回)
あなたが何かの資格試験に挑戦してみよう、と考えているのならば、私はITパスポート試験をおすすめします。おすすめの理由は、こちらをどうぞ。
あなたが勉強をせずに資格だけ手に入れたい、と考えているのならば、このブログにその方法はありません。勉強をすることで知識やスキルを身につけたい人だけ、この続きを読んで下さいね。
私自身が勉強してみて、どれくらい知識と理解度があればITパスポート試験の合格基準に達することができるのか、をまとめていきます。
ITパスポート勉強の、進捗度と達成度を確認する方法のひとつとして、この記事を参考にしてもらえれば嬉しいです。チェックリスト方式にしてあります。
全5回、この記事は最終回になります。
□デュアルシステムとデュプレックスシステムを説明することができる
・デュアルシステム~2組の同じ処理を行うシステムにより、信頼性を高める。同じ処理を行い、結果を突き合わせながら、互いに監視しつつ、運用する。異常が発生したら、異常の起きたシステムを切り離し運用。
・デュプレックスシステム~2組のシステムをメインとサブに分けて運用する。通常サブは別の処理を行うが、メインに異常が発生した場合、サブがメインの処理を行う。
デュアルとデュプレックスの違いは「同じ作業のデュアル」「サブ待機のデュプレックス」です。しっかり区別しておきましょう。
さらに、デュプレックスには「待機方法」が2つあります。
・ホットスタンバイ~瞬時に切替えられるように、プログラムを起動状態にしておく
・コールドスタンバイ~コストダウンのため、別の作業をさせ、電源を切っておく
デュアル&デュプレックス、ホット&コールドは、全てセットで暗記です!
□システムの信頼性と稼働率の関係を正しく理解している
・平均故障間隔(MTBF)~故障と故障の間隔
・平均修理時間(MTTR)~修理時間
つまり「稼働時間」は自分で計算します。ここは公式を丸暗記するよりも、理屈を覚えて計算できるようになった方が、応用問題に対応しやすいです。
参考書や過去問題を使って、実際に頭と手を動かして計算してみましょう。理屈で考えられるようになれば、難しい計算問題も解けるようになります。
用語を覚えるときは英語の略称と、英単語の意味を活用しましょう。私は「Between(間隔)」と「Repair(修理)」で見分けています。
□システムの稼働率を計算することができる
直列~稼働率×稼働率
並列~1-全体の稼働率
細部説明は参考書にお任せします。大切なのは、この稼働率計算が、情報処理技術者試験で出題され続けることです。Iパス、基本、応用、高度試験午前Ⅰ、一度覚えれば、得点源になります。
□フォールトトレラント理解し、説明することができる
故障が発生しても大丈夫な対策のこと。フォールトトレランスには、3つの実現方法があります。
・フェールセーフ~安全最優先
・フェールソフト~継続性が最優先
・フールプルーフ~予想外の使用方法でも故障しない
似た単語が並ぶので、覚えるときは英語意味を活用です。また、実際に活用されている事例をセットで覚えるのが、効果的ですね。
さらに「フォールトアボイダンス」と絡んで、選択肢に並ぶので、完全に覚えてしまいましょう。
応用問題は少なく、再出題も多いので、しっかり得点しましょう。
□バスタブ曲線を知っている
故障の発生頻度と時間の関係をグラフに示したもので、バスタブと呼ばれるのは風呂桶の形状に似ているためです。
・初期故障期間
・偶発故障期間
・摩耗故障期間
それぞれの期間の特徴を押さえて、用語を覚えておけば大丈夫です。出題されたら、ラッキー♪
□バックアップを理解し、応用問題を解くことができる
・フルバックアップ~全てのデータ
・差分バックアップ~フルバックアップ以降に作成、変更されたファイルのみ
・増分バックアップ~前回のバックアップ以降に作成、変更されたファイルのみ
ここは応用出題になるので要注意。
バックアップに使うデータ量や、かかる時間を問われるため、それぞれの違いを理解しておきましょう。また、バックアップの留意点が3つあります。
・定期的に行う
・元データと別の媒体に保存する
・業務処理中にバックアップしない
基本事項なので、試験に出題されなくても覚えておきましょう。
□企業の代表的な組織形態を理解している
・職能別組織
・事業部制組織
・プロジェクト組織
・マトリックス組織
企業活動や関連法規は、覚えるだけで点数になるところです。覚えるだけだからこそ、自分の会社などと結びつけて、忘れにくい覚え方をしておきましょう。
□CEOとCIOの違いがわかる
・CEO(Chief Executive Officer)~最高経営責任者
・CIO(Chief Information Officer)~最高情報責任者
英語の略を正しく覚えているかを確認する問題は、多いです。元の英単語、意味から覚えましょう。一度覚えてしまえば、得点源ラッキー問題です。
□電子商取引を理解している
・B(Business)~企業
・C(Consumer)~個人
・G(Government)~政府や自治体
・E(Employee)~従業員
代表的なのは「BtoB」「BtoC」「CtoC」ですが、英単語の意味を理解しておけば、いろんな出題に対応できます。一手間かかりますが、英単語の意味を活用しましょう。
□EDIやカードシステムを知っている
・EDI(Electronic Date Interchange)~情報伝達規約、情報表現規約、業務運用規約、取引基本契約
・カードシステム~クレジット、デビット、ICなど
電子商取引を利用するために、決済手段を決めておきます。ネット上のお金の約束事ですね。
□経営戦略の関連用語を理解している
・SWOT分析~自社の強みと弱みを分析
・PPM~経営資源の配分バランスを分析
・コアコンピタンス~自社の強み
・ベンチマーキング~他社の強みを参考
ここだけ押さえれば十分、と言えるくらい出題頻度が高いです。ぜひ、本当に覚えて下さい。
□請負と派遣を完全に理解している
・請負~雇われている会社の指揮のもとで、請け負った仕事を行う→成果物の提供
・派遣~派遣先会社の指揮のもとで、派遣先の仕事を行う→労働力の提供
高度試験でも出題され、応用出題があります。ここだけは「完全理解」を追求しましょう!
□関連法規をいろいろ理解している
企業は法律、各種ルールやモラルなどを守って、経営活動を行います。知らなかった、では済まされません。
・法令遵守(コンプライアンス)
・企業統治(コーポレートガバナンス)
・内部統制
それぞれの用語の意味を、理解しましょう。
□著作権を理解している
知的財産権のひとつ。創作された時点で自動的に権利が発生します。個人の場合は「死後50年」保護されます。
・著作人格権
・著作財産権
ソフトウェア利用許諾(ライセンス)を守るのも、著作権があるからです。身近なお話なので、覚えやすいですね。
□産業財産権を理解している
知的財産権のひとつ。先願主義であり、特許庁に登録することで権利が発生し、保護対象となります。
・特許権~高度な発明、アイデア
・実用新案権~改良や創意工夫
・意匠権~デザイン
・商標権~商品名やマーク
4つの違いを覚えましょう。
□法人著作権を説明できる
法人著作(職務著作)とは、業務に従事するものが職務上作成した物は、特段の定めがない限り、法人に著作権が帰属することです。
「法人と個人」の関係はわかりやすいですが、しっかり覚える必要があるのは「法人と法人」の著作権の関係です。
・派遣~「労働力の提供」であるため、派遣先に帰属
・請負~「成果物の提供」であるため、請負元に帰属
・請負の請負~「成果物の提供」であるため、実際に作成した請負元に帰属
派遣と請負の違いを理解しておけば、法人著作権も同じように理解できます。一知識で二度おいしいですよ♪
□各種法律を知っている
・製造物責任法(PL法)~製造物の欠陥
・労働基準法~労働条件の最低ライン
・労働者派遣法~派遣労働者の権利保護
この3つは、一度読めば良いでしょう。
・不正アクセス禁止法
・刑法
この2つは、引っかけ問題で登場します。違いの理解が必須です!
□PDCAサイクルとデータ整理技法がわかる
・ブレーンストーミング~自由に意見
・バズセッション~グループごとに結論
・KJ法~収集した情報をカード化し、それらをグループ化し、問題点を洗い出す
・決定表(デシジョンテーブル)
応用出題があるのは、決定表。練習を忘れずに。
□グラフを理解している
□品質管理手法を理解している
このふたつは、参考書にお任せします。グラフは見た方がわかりやすいですし、図表を読み解く力が必要になります。過去問題をたくさん解いておけば、出題されやすい図表を覚えることができます。ここは、練習あるのみです。
□財務会計の用語の意味を理解している
・固定費~売上に関係なく発生
・変動費~売上と比例して発生
・損益分岐点~損失と利益の0ポイント
・変動費率~売上に対する変動費比率
・貸借対照表(バランスシート)~ある時点
・損益計算書~ある期間
計算のため、覚えましょう!
□財務会計の計算問題を解くことができる
用語を理解したら、過去問題で練習です。全然ITっぽくない!と思うかもしれませんが、大切な課目です。
なぜならば「セキュリティ対策」「顧客要望のシステム改編」も「企業が赤字」になっては、意味がないからです。
頑張って練習です。
全部で100日間、ITパスポートのツボを紹介しました。少しでもみなさんの役立つことができれば、嬉しいです。
私は10年以上にわたり、IT勉強をしています。ITは進化を続けるため、勉強に終わりはありません。しかし、一定の知識を得るため、知識を証明するため、情報理技術者試験は、とても有意義な資格試験だと思います。
私がITパスポートを受験するために使った参考書は、1冊だけです。
どんな参考書を使って勉強しても、内容をしっかり理解すれば、合格にたどりつけます。自分に合う参考書を見つけて、勉強を続けて、あなた自身の手で、合格をもぎ取って下さい!