統計検定3級を受検してみた
統計検定3級に挑戦しました。4級で基礎を固め、3級は参考書+問題集で合格。統計は意思決定とITに直結し、日常の読解力も問われる価値ある資格です。
統計検定3級を受検してみた
IT・デジタル人材が求められる今、データを正しく読み解き意思決定に生かす力は必須です。全国統一試験の統計検定は、統計知識と活用力を可視化できる資格。私は3級に挑戦しました。
この記事では次の3点に絞って体験をまとめます。
- 統計検定とは?
- 参考書と勉強方法
- 「学んだことを活用する」ということ
統計検定とは?
「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
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データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、国際通用性のある統計活用能力の体系的な評価システムとして統計検定を開発し、様々な水準と内容で統計活用力を認定しています。
統計検定のデメリットはふたつあります。
ひとつめは、国家資格ではないことです。国家資格ではないため、取得そのものにメリットがありません。ふたつめは、勉強時間と経費のコストが多くかかることです。計算問題が多く、数学の基礎知識が必須となる部分があるため、勉強時間をしっかり確保しなければいけません。また、民間資格であるため、受検料、参考書と問題集は、ポピュラーな国家資格や公的資格と比べると経費がかかってしまいます。
ただし、それ以上のデメリットは乏しく、統計リテラシーは仕事・研究・日常判断に広く有効で、ITスキルとの相性も抜群。強力な実務スキルとして武器になることが、統計検定の最大のメリットです。
統計検定は、受検資格や受検制限はなく、どの級からでも受検することができます。1級以外はCBT(Computer Based Testing)方式、1級は毎年11月にPBT(Paper Based Testing:各試験会場での論述形式)方式で行われます。
受検は「級、種別」での申し込みであり、受検料が一般、学割、同時受検割引などがあるので、内容をしっかり確認して申し込む必要があります。
3級:大学基礎統計学の知識として求められる統計活用力を評価し、認証するために検定を行います。
統計検定TOP >検定種別>統計検定3級
(1)基本的な用語や概念の定義を問う問題(統計リテラシー)
(2)不確実な事象の理解、2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題(統計的推論)
4級:データと表やグラフ、確率に関する基本的な知識と具体的な文脈の中で求められる統計活用力を評価し、認証するために検定を行います。
統計検定TOP >検定種別>統計検定4級
(1)基本的な用語や概念の定義を問う問題(統計リテラシー)
(2)用語の基礎的な解釈や2つ以上の用語や概念の関連性を問う問題(統計的推論)
(3)具体的な文脈に基づいて統計の活用を問う問題(統計的思考)
そして、各級によって、合格水準が決められています。
4級は「4~5肢選択問題、問題数30問程度、試験時間60分」で行われ、「100点満点で60点以上」が合格水準です。
私が受検した3級は、「4~5肢選択問題、問題数30問程度、試験時間60分」ですが、合格水準は「100点満点で、65点以上」です。受検前に確認しておきましょう。
参考書と勉強方法

参考書
私は3級から受検しましたが、まずは4級で基礎を固めるのがおすすめです。算数・数学に不安がある人は特に、表・グラフ・確率の「使える基礎」を先に身につけると3級がスムーズになるでしょう。なぜならば、4級の内容は「データと表やグラフ、確率に関する基本的な知識」「具体的な文脈の中で求められる統計活用力」であり、統計を身につけるために必要な「基本中の基本」を学ぶことができるからです。
4級テキストは「中学生、高校生のときに読みたかった!」と思うほど分かりやすく、直感的に統計の面白さが掴めました。

問題集はCBT対応版もありましたが、通常版を選びました。通常版の方が問題が難しそうで、理解力を試されている感触があったからです。統計検定のみならず、できれば難しい問題に慣れておく方が、試験では有利だと考えているからです。
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(Amazon)統計検定 3級・4級 公式問題集
勉強方法
学習手順は、4級テキストで基礎→3級テキスト→問題集。統計検定特有の設問文の読み方に慣れるため、問題の意図・必要な数値・問われている関係を毎回言葉にして確認していきます。「しっかり問題を読み」、「何を聞かれているのかを明確にし」、「どの数値が必要とされているのか」を考えていきます。
公式の丸暗記と過去問周回だけでは、実務で使える“読解×分析”が身につきません。QC検定と同様、日本語の読解力も問われます。出題意図が取れないと計算が合っていても誤答になります。
・詳しくはこちら
→日本語検定2級を受検してみた
出題意図と問題を理解しなければ、過去問題を周回し、例え検定に合格しても、集めたデータや数値を適切に読み解くスキル、データ分析スキルは身についていないことでしょう。
「学んだことを活用する」ということ
統計検定の真の目的は、合格よりも活用です。
- 問題文から何を問われているかを抽出する
- どのデータ/指標が意思決定に効くかを選ぶ
- 仮説→指標→結論の流れで説明できる
この一連の思考が、仕事でも学業でも効きます。逆に「合格だけ」を狙う一夜漬けは非効率です。読んで・考えて・説明する練習を積むほど、得点と実務力が一緒に伸びます。
日本語検定と同様に、合格のためだけに一生懸命勉強する、のには全く向いていない統計検定です。学んだことを活用する気持ちがない方は、絶対に選んではいけない資格試験のひとつですね。受検検討の際は、気をつけましょう。
これから統計検定を受検してみようと思う方は
2023年現在、統計検定は、受検資格や受検制限はなく、どの級からでも受検することができます。1級以外はCBT(Computer Based Testing)方式、1級は毎年11月にPBT(Paper Based Testing:各試験会場での論述形式)方式で行われます。
受検は「級、種別」での申し込みであり、受検料が一般、学割、同時受検割引などがあるので、内容をしっかり確認して申し込む必要があります。
「算数・数学は得意!」という方であれば、参考書と問題集を揃えれば、独学で乗り切れると思います。勉強期間は2か月程度で十分でしょう。もし「算数・数学はイマイチ」という方であれば、通信教育などを検討した方が、学習効率が良いかもしれません。
私は初受検で、無事に合格することができました。機会があれば、2級受検を検討したいです。

まとめ:統計検定3級を受検してみた
受検した結果を踏まえて、3点に絞ってお話させていただきました。
- 統計検定とは?:統計知識と活用力を評価する全国統一試験
- 参考書と勉強法:4級で基礎→3級テキスト→問題集。設問の意図を読む
- 「学んだことを活用する」ということ:データで意思決定。ITスキルと組み合わせると強力な武器に
統計検定は、民間資格であり、勉強時間と経費のコストが多くかかりますが、これ以上のデメリットがないことが、最大のメリットです。統計の知識は、幅広く役に立ちます。データの意味を正しく理解し、データ分析を行うことでより良い意思決定ができるようになります。また、IT・デジタルとの相性が良く、情報技術のスキルと組み合わせることで、さらなる強み・アピールポイントとなるでしょう。
身につける勉強をする限り、受検して損のない資格だと自信をもっておすすめします。
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