刃物編【暮らしのカイゼンシリーズ】
包丁やハサミの切れ味が落ちてきたとき、選択肢は「買い替える」「自分で研ぐ」の二つだけではありません。専門店に研ぎを依頼するという方法があります。私は手に力が入りにくくなったことをきっかけに砥石を卒業し、普段の手入れはシャープナー、切れ味が戻らなくなったら研ぎ依頼という二本立てに切り替えました。仕上がりの目安は、持ち込みで3日ほど、配送便で1〜2週間程度です。
刃物編【暮らしのカイゼンシリーズ】
私の理想は「やりたいことに時間を使える生活環境」を手に入れること。そのために始めたのが「暮らしのカイゼンシリーズ」です。
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今回のテーマは「刃物」です。包丁とハサミ。どちらも毎日のように手にする道具ですが、切れ味が落ちてきたとき、あなたはどうしていますか。
砥石を卒業した理由
私はこれまで、包丁を砥石で自分で研いでいました。若い頃に調理師免許を取得し、調理場で働いていた時期があります。包丁研ぎは、そのときに学んだ技術です。
ところが、ここ数年で状況が変わりました。私は右利きですが、右手首を二度手術しており、握力がほとんどありません。さらに一年半ほど前には左手にも大きなけがをし、こちらも握力がなくなりました。
いまは右手でも左手でも、日常生活の中で物を落とすことが増えています。とくに苦手なのが食器洗いです。うまく洗えないうえに、食器を落としてしまうことが多くなりました。
その状態で、砥石に刃を当てて研ぐ。これは間違いなく危ない、と考えました。
技術を持っていることと、いま安全にできることは別の話です。
そこで私は、砥石を卒業するという判断をしました。長年やってきたことをやめるのは、正直なところ少し寂しさもあります。それでも、手元が不安定なまま刃物を扱い続けるよりは、ずっと安全です。
普段は「シャープナー」

砥石をやめた代わりに、日常の手入れで使うことにしたのがシャープナーです。溝に刃を差し込んで、数回引くだけ。力もほとんど要りません。
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選んだのは、ハサミも研げるタイプです。
包丁だけでなくハサミにも使えるため、道具をひとつに集約できます。持ち物を増やしたくない私にとって、「一台で兼ねられる」のは大きな魅力でした。
ただし、シャープナーで研げるのは、自分でネジを外して分解できるハサミに限ります。
我が家で該当したのは3本でした。
- 携帯用
- 事務用
- 裁縫用(裁ちばさみ)
この3本は、シャープナーで自分で手入れができます。
一方、分解できないハサミもあります。
- キッチンばさみ
- 裁縫用(糸切りばさみ)
こちらは、自分で手入れするのが難しいタイプです。そこで、包丁に合わせて研ぎに出すことにしました。
はじめての「研ぎ依頼」
砥石を卒業すると決めたものの、研ぎに出すこと自体が初めてです。まずは専門店に相談してみることにしました。
ハサミについて相談したところ、ハサミも研げるという答えでした。ただし、注意点があります。
ハサミは、2枚の刃を擦り合わせて切る道具です。そのため、研ぐ際には噛み合わせの調整も必要になります。その結果、研ぐたびに刃が少しずつ短くなるとのことでした。
こうした理由から、切れ味が十分であれば、頻繁に研ぐことはおすすめしていないという説明も受けました。
これは正直、意外な話でした。研げば研ぐほど良いというものではないのですね。専門店に相談しなければ、知らないままだったと思います。
この助言を受けて、当初は出そうと考えていた糸切りばさみは見送り、キッチンばさみだけを依頼することにしました。
今回の依頼
最終的にお願いしたのは、次の4本です。
- 牛刀(杉本)
- 牛刀(ZWILLING/ヘンケルス)
- 波刃(Tupperware/タッパーウェア)
- キッチンばさみ(ZWILLING)
研ぎにかかる期間の目安は、次のとおりです。
- 持ち込み:3日ほど
- 配送便:1週間から2週間程度
急ぎでなければ配送便でも十分ですが、預けている間はその刃物が使えません。我が家は複数本あったので、順番に出すという選択もできました。このあたりは、持っている本数によって進め方が変わりそうです。
我が家の刃物
今回研ぎに出した包丁は、どれも我が家に来た経緯があるものです。
牛刀(杉本)
親が若い頃、調理師をやっていたときに使っていたものです。私が家を出るときに譲ってもらい、以来ずっと使い続けています。親も私も研ぎながら使ってきたので、刃は随分と短くなったようですが、まだまだ現役です。
牛刀(ZWILLING/ヘンケルス)
就職のお祝いにもらったものです。杉本の包丁とセットで、実家を出たときから一緒にいます。杉本よりも短めで、私の小さい手のサイズにも合うのが気に入っています。小さいぶん軽く、持ちやすいところも助かっています。
波刃(Tupperware/タッパーウェア)
プレゼントでいただいたものです。やわらかい果物を切るときに使っています。ただし、波刃の分だけ手入れが難しいというのが正直なところ。自分では手を出しづらい形状なので、研ぎ依頼のありがたみをいちばん感じる一本かもしれません。
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いちばん効果を感じたのはキッチンばさみ
手元に戻ってきて、思った以上に効果があったのはキッチンばさみでした。
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包丁ももちろん切れ味が戻りましたが、キッチンばさみの変化は別格でした。握力が落ちている私にとって、ハサミは「力をかけずに切れる」ことが、そのまま作業のしやすさに直結します。切れ味が落ちたハサミは、それだけ手に負担をかけていたのだと実感しました。
切れ味が悪くなったら買い替える、という選択もあります。それも決して悪くありません。ただ、気に入ったハサミを長く使いたいのであれば、研ぎに出せる環境があるかどうかで選択肢が変わってきます。
まとめ:刃物編【暮らしのカイゼンシリーズ】
今回のカイゼンで得た学びは、次の3つです。
- 包丁やハサミには「研ぎ依頼」という選択肢がある
- 日常はシャープナー、本格的な手入れは専門店、と分担できる
- ハサミは研げるが、刃が短くなるため頻繁に研ぐ必要はない
あわせて、研ぎ依頼のメリットとデメリットも整理しておきます。
■メリット
- 力を使わずに切れ味が戻る
- 気に入った道具を長く使い続けられる
- 自分では難しい波刃やハサミにも対応してもらえる
■デメリット
- 費用がかかる(買い替えとの比較が必要)
- 預けている間、その刃物が使えない
- 依頼できるお店が近くにあるかどうかに左右される
包丁やハサミの手入れを自分でするのは、なかなか難しいものです。だからこそ、「買い替える」以外の方法もあると知っておくだけで、選べる道が広がります。
買い替えるのもひとつの方法です。それでも、手入れをしながら気に入った道具を長く使う。そんな付き合い方は、暮らしの満足度を上げてくれました。 あなたの台所にも、切れ味が気になっている一本はありませんか。
