ITストラテジスト試験の事前勉強におすすめの本【2冊】
ITストラテジスト試験は、知識だけでなく“戦略的思考力”が問われる最高峰の国家資格です。試験前に読むべき2冊は『経営戦略の基本』と『戦略の要諦』。基礎理論と実務感覚の両面から「戦略の本質」を理解し、論述力を鍛えましょう。
ITストラテジスト試験の事前勉強におすすめの本【2冊】
ITストラテジスト試験(ST試験)は、情報処理技術者試験の中でも最難関といわれる高度区分です。「IT戦略の立案・実行を担う専門家」として、経営層に近い視点が求められます。労働基準法第14条でも「専門的知識等を有する労働者」として認められており、公認会計士・弁護士・技術士などと並ぶ、国家資格としての地位を持ちます。
ただし、知識や経験だけでは合格できません。午後Ⅱ(論述)で問われるのは、経営戦略の理解と構造的な思考力です。
私自身、4度受験し、現在5回目に挑戦中です。その過程で出会い、「もっと早く知りたかった」と感じた2冊を紹介します。
- 経営戦略の基本
- 戦略の要諦
経営戦略の基本
『経営戦略の基本』は、ITストラテジストに必要な戦略思考の“土台”を整える一冊です。IT戦略というとシステム寄りの発想になりがちですが、本質は経営戦略との整合にあります。参考書や試験の講評でも、「ITストラテジスト」としての視点で問題を解くよう求められます。
この書籍は、経営学の基礎を図表と事例でわかりやすく解説しており、午後Ⅱ論述の“経営側の視点”を鍛えるのに最適です。
おすすめポイント
- 経営戦略の基礎を、図と具体例で体系的に理解できる
- 午前Ⅱの出題領域(SWOT、PPM、3Cなど)を網羅
- 午後Ⅱ論述に必須の「全社最適と個別最適」の考え方を学べる
注意点
- 改訂版が出ていないため、一部の用語が古い
→ 最新トレンド(DX、AI戦略など)は他資料で補完が必要
“ITの話をする前に、経営の言葉で語れるようになる”ための第一歩になるでしょう。
戦略の要諦
『戦略の要諦』は、前書で学んだ基礎を「現場感覚で運用する」ための書籍です。経営課題に基づく戦略策定を、実際の組織運営や目標管理の文脈から深掘りしています。
この書籍で何度も強調される「戦略と目標管理は異なる」という点が、非常に重要です。午後Ⅱの論述では、「戦略と目標管理を混同してはいけない」と何度も指摘されます。この本を読むと、その違いが腑に落ちます。
おすすめポイント
- 経営課題の抽出から戦略立案までの流れを丁寧に解説
- フレームワークを“使う側の落とし穴”まで指摘してくれる
- 戦略と目標管理の違いを明確に理解できる
注意点
- 実務寄りの内容が多く、試験勉強というより“応用的思考訓練”に近い
→ しかし午後Ⅱ論述では、この「現場視点」が差をつけます。
“戦略とは目標ではない”。その一言を腑に落とすことで、論文が変わります。
なぜITストラテジスト試験の事前勉強に読書が有効なのか
概念の理解
試験では「経営」「戦略」「情報技術」を一体として理解しているかが問われます。
読書を通じて、概念や理論の背景を体系的に学ぶことで、論述に深みが生まれます。
問題解決能力の向上
午後Ⅰ・Ⅱでは、現実の企業課題に対して合理的な解決策を提示する必要があります。書籍の事例研究やフレームワーク分析を通じて、問題解決の思考パターンが磨かれます。
自己学習と文章力の強化
戦略を「読む」「考える」「書く」プロセスは、自己学習の最良のトレーニングです。文章を読む力が上がることで、試験問題の読解力・論述力の双方が伸びます。
ITストラテジスト試験は、知識の試験ではなく“考える力”の試験です。
まとめ: ITストラテジスト試験の事前勉強におすすめの本【2冊】
ITストラテジスト試験の事前勉強におすすめするのは、こちらの2冊です。
- 経営戦略の基本
- 戦略の要諦
ITストラテジスト試験の事前勉強に読書をすすめる理由は、3つあります。
- 概念の理解
- 問題解決能力の向上
- 自己学習の促進
ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の最高峰です。高い難易度を誇り、知識や経験を有しているからといって、簡単に合格することはできません。試験勉強の前に「経営を理解すること」から始めましょう。この2冊は、あなたの“戦略思考”を形にしてくれます。
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