書籍レビュー:やめてみた。【わたなべぽん】

『やめてみた。』は「悪いからやめる」のではなく、“ちょっと試しにやめてみる”という軽やかな実験を描いた本です。作者の体験談を通じて、やめることで心や暮らしがどう変わるのかを知ることができます。
書籍レビュー:やめてみた。【わたなべぽん】
この『やめてみた。【わたなべぽん】』は、私のシンプルライフの大きな転機になった一冊です。
「やめる」と聞くと、どうしてもネガティブなイメージがつきまといます。悪習慣をやめる、不要品を捨てる…。けれど、わたなべぽんさんの語る“やめてみる”はもっとやさしいお話です。「なんとなく合わない」「もやもやする」と感じたものを、思い切って“試しにやめてみる”だけで、心が軽くなり暮らしがラクになる。そんな体験談がコミカルかつ温かいタッチで描かれています。
「やめてみた。」は、シリーズで3冊刊行されています。この中から、あなたに伝えたい3点を紹介します。
- 家の中から、やめてみた(『やめてみた。』)
- 身近なところで、やめてみた(『もっと、やめてみた。』)
- 暮らしの中で、やめてみた(『さらに、やめてみた。』)
家の中から、やめてみた(『やめてみた。』)
炊飯器
ぽんさんは炊飯器を上手に手放しました。私は炊飯器をなかなかやめてみることができませんでした。
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→断捨離できない炊飯器【わが家の選択と工夫】
私が炊飯器をやめられなかったのは、やめようとしたタイミングと生活スタイルが合っていなかったからです。タイミングが合わないときに、無理してやめるのは逆に大きなストレスです。結局私は「自分に合うときが来たら」と心に決め、後にようやく手放すことができました。
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→ついに断捨離した炊飯器【不要と判断した理由】
TV
私はゲームが大好きなため、長くTVを保有しつづけていました。しかも、テレビを「なんとなくつけるクセ」があったのです。朝起きて、とりあえず。夜帰ってきても、とりあえず。思い切って“とりあえず電源オン”をやめてみたら、結局ゲーム以外ではテレビを使わなくなりました。
ゲームしかしないなら、テレビじゃなくてもいい。私は使用頻度、引っ越しや買い換えの作業、NHK受信料などをいろいろ考えて、思い切ってテレビをやめました。そして、仕事にも使えて持ち運びに便利なモバイルモニターを活用しています。
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ゴミ箱
ゴミ箱をきれいに保つのは、実は難しい家事だと思います。私はぽんさんに影響を受けて、ゴミ箱の数を減らしました。数が少なければ、清掃の負担も減る。“なくす”ことでラクになる好例ですね。
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→断捨離したゴミ箱【部屋をすっきりさせる暮らし方】
→断捨離したサニタリーボックス【清潔さと省スペースを考えた選択】
身近なところで、やめてみた(『もっと、やめてみた。』)
ビニール傘
長傘は、持ち歩きに不便で忘れ物の代表格ですが、濡れにくく丈夫です。折りたたみ傘は、持ち歩きに便利ですが、長傘に比べてサイズが小さく、強度が弱いです。メリットとデメリットを考えて、私は長傘と折りたたみ傘の両方を使い分けていました。しかし、「サイズが大きくて、強度が強めの折りたたみ傘があれば、傘は一本だけ良いのでは?」と思い、いろいろ探していました。
長く使い続けたいため、日々のメンテナンスはしっかり行っています。経年劣化で買い換えが必要なことも考慮した上で、今は、これ一本だけです。傘の本数が減るだけで、玄関がすっきりしますよね。
プチプラアクセ
私はアクセサリーをほとんど身につけませんが、時計はとても好きなので身につけています。用途に合わせていろんな時計を購入した時期もありますが、今は「アナログ×ソーラー×電波」機能の時計ひとつに落ち着きました。安さや数よりも“ひとつを長く使える安心”が自分には合っていると分かったからです。
アクセサリーと同様に、時計も良いものを選べば、大切に長く使うことができるためオススメです。
一度やめてみたけどまた始めてみたものたち
ぽんさんは「やめてみたけど、また始めてみた」ものも正直に書いています。私はこの考え方が、とても素敵だと思いました。
試しにちょっとやめてみて、合わなかったらもう一度やってみる、のは、そのものの良さを再実感できるチャンスです。“一度離れて戻る”経験は、思った以上に大きな気づきと感動をくれるのです。
暮らしの中で、やめてみた(『さらに、やめてみた。』)
サンダル
私は、自分に合った靴を探すのが苦手です。足が小さく、甲高であるため、フィッティングに時間がかかってしまうからです。履かない靴や、足を痛める靴は靴箱には置きません。ファッションやおしゃれより、自分の足を大事にしたいからです。
靴箱に並べる基準が「履けるかどうか」に変わるだけで、ストレスが減りました。
・詳しくはこちら
→断捨離した靴【捨てて気づいた本当に必要な基準】
化粧ポーチ
私の化粧ポーチは、無印良品のナイロンコンパクトポーチ(9×14×3.5)がひとつだけにしました。中身も最小限。自宅でも外出先でも同じものを使うスタイルです。ポーチの中には、常備薬なども入れてあり、これひとつでいつでもどこでもお出かけすることができます。
作者とは少し違う考え方ですが、自分なりのやめ方もシンプルライフ、であると思っています。。
クレジットカード
化粧ポーチと同様に、私のお財布は小さいです。
カードを持ち歩かなくても、スマホアプリに入れられるものが増えています。思い切って、不要なポイントカードやクレジットカードなどを一掃しました。さらに最近はコンパクト化を目指しているので、もう少し小さいサイズのお財布を検討したいですね。
・詳しくはこちら
→小さくなったお財布と断捨離したカード【持ち物を軽くする方法】
「やめてみる」から得られるもの
本当に必要なものが見えてくる
何かをやめることで、自分が本当に何を求めているのか、何が重要なのかを見極めることができます。また、そのプロセスを通じて成長し、自己啓発や自己成長につなげられるでしょう。
「こうあるべき」に囚われなくなる
何かをやめることで、それまでの習慣や行動パターンから離れることができます。これにより、新しい視点や考え方を取り入れるチャンスが生まれ、自分自身や周囲の状況を新たな角度から見ることができるでしょう。
自分らしく生きられる
何かをやめることは、自分自身を見直すチャンスです。やめる=減点ではなく、選び直す自由がはじまります。古い習慣やパターンを断ち切り、新しい自分に向かって再出発することができるでしょう。
まとめ:やめてみた。【わたなべぽん】
『やめてみた。』は、やめることをネガティブではなく“選び直しのきっかけ”として描いています。作者の軽やかな実験を追体験しながら、あなた自身も「ちょっとやめてみる」勇気を持てるはずです。
片付けや何かをやめることに不安を感じてしまう方は、ぜひ一度、この本を読んでみて下さい。片づけてみても、やめてみても、恐ろしいことは起きません。きっと少し、あなたの心が軽くなるはずです。
おまけ:本から広がる暮らしのヒント
ここからは、本から広がる小さな暮らしのヒントを紹介しますね。
私が暮らしにどう活かしたか
「とりあえずテレビをつける」習慣をやめたら、夜の静けさが戻り、朝の時間の流れがスムーズになりました。やめることで、逆に得られるものがあると実感しました。
おすすめKindle端末
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著者の別作品
「やめてみた。」シリーズは続編もあります。
- 『もっと、やめてみた。』
- 『さらに、やめてみた。』
さらに生活をシンプルに整えたい人は、合わせて読むと理解が深まります。