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疲労回復と睡眠 #2【環境編】

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疲労回復と睡眠 #2【環境編】

アイテム編で述べたとおり、スポーツ競技者にとって、疲労回復は非常に重要である。そして、我々の人生の三分の一は睡眠時間である。アイテムだけで睡眠の質を改善しようとするのはなかなか難しい。そこで、環境改善で取り組みたい内容を紹介していく。

  • 温度
  • 香り

①寝室の明るさとメンタル

奈良県立医科大学の研究によると、寝室が少しでも明るいとメンタルに悪影響が出ることが判明している。2年に渡って追跡調査を行った結果、寝室の明るさが5ルクス以上の場合、うつ症状との相関が確認された。豆電球が9ルクス程度であることを考えると、5ルクス以下を達成するには、ほとんど照明を使わない状態にする必要がある。

この研究は原因と結果を調べてはいないが、ブルーライトが睡眠を乱すことは確実であり、睡眠の悪化がメンタルに良くないことも明らかである。

②寝室の明るさと体重増加

  • テレビや蛍光灯をつけっぱなしの部屋で寝る人は、過体重になる確率が22%上がり、肥満になる確率が33%上がる(暗闇で寝ている人との比較)
  • 「少しだけ光がある部屋」(フットランプなど)と「真っ暗な部屋」をくらべた場合は、体型の変化に差はなかった

夜間に電気をつけたままにする人は、夜食や生活管理レベルが低い傾向はあるものの、これらの要素を調整しても人工光と肥満の相関は確認されている。

また、次の実験では、全体を2つのグループに割り振った。

  • 100ルクスの頭上照明の下で8時間寝る
  • 3ルクス以下の薄明かりの下で8時間寝る

100ルクスの照明とは、屋内の階段照明や街灯下ぐらいの明るさで、それほど明るいわけではないものの、十分に視界は確保できるレベルである。この実験中、睡眠はポリグラフで検査され、これに加えて、主観的な眠気、体内のメラトニン、血圧、心拍数、翌朝の耐糖能などを調べている。

  • 100ルクスで寝たグループは、糖を代謝する能力が15%悪化し、薄明かりグループは4%改善した
  • インスリン感受性は、100ルクスで寝たグループは16%低下悪化し、薄明かりグループは3%改善した
  • 100ルクスで寝たグループは、中等度の睡眠状態の時間が長く、深い睡眠の時間が短かった
  • 100ルクスで寝たグループは、心拍数と交感神経の活動が一晩中高かった

つまり、電気をつけたまま寝てしまうと、糖質を代謝する能力は下がり、血圧や心拍数は上がり、寝ている間はずっと身体がストレスを感じ続けるのである。人間は遺伝的に自然環境の光に適応して進化してきた。日中には光が差し、夜間には暗闇になるのが自然である。夜間の人工光は、おそらくホルモンの分泌を乱し、肥満のような健康リスクを上げてしまうのかもしれない。

温度

眠りにつくための理想的な温度は、ほとんどの人にとって摂氏18度前後と考えられている。シーツ、ブランケット、衣服、寒さへの耐性などは、個人の生活環境や体質などにもよるため、摂氏15~20度の範囲を目標にして欲しい。

室内を摂氏20度にする場合は、薄いシーツを敷き、服は少なめにしてみよう。15度にする場合は、標準的なシーツやブランケットを使ってみよう。

ただし、寒さで目が覚めるようでは逆効果なので、徐々に室温を調整して快適な睡眠環境を作り上げていこう。室温は、光に次いで重要な要因なので、しっかりと調整し続けて欲しい。

ホワイトノイズ:テレビの砂の嵐のような「サー」という音。低い周波数から中程度の周波数、高い周波数まで、あらゆる周波数を同等に含んでいる。

ピンクノイズ:さまざまな周波数が含まれているが、高周波は少なく、低周波の割合が多いのが特徴。強い雨や風が吹くかのような「ザー」という音。ホワイトノイズより落ち着きがある。

ブラウンノイズ:ピンクノイズより低い周波数が多く含まれ、川のせせらぎのような「ゴー」という深みのある音。ピンクノイズより、さらに柔らかい音質。

【引用:快眠ラボ

  • ノイズが快眠に効くというデータがある
  • ノイズは騒音をマスキングする
  • 聴覚刺激が快眠を促す可能性がある

ホワイトノイズやピンクノイズは快眠に効果があるのではないか、という報告がいくつかあるため、試す価値はありそうである。ただし、研究の質がそこまで高くないこと、おそらく効く人と効かない人の差が大きいだろうことが考えられる。ブラウンノイズも、同様に考察することができるだろう。

つまり、ノイズを活用することで、深い眠りを発生させられる可能性があるとは考えられるだろう。

香り

睡眠改善に関するややマニアックな手段として、香りの活用がある。香りの代表「エッセンシャルオイル」の効果についてはまだ謎が多いものの、リラクゼーションや睡眠の改善には役立つのではないか、という研究報告が多くある。あらゆる人に効くとは言いにくいが、補助的に使ってみたり、気分転換として使ってみたりしてみるのが良いだろう。

①ラベンダー

主な用途:リラックス、落ち着き、不安の解消 【引用:くらしとアロマ

心を落ち着けて、ストレスを和らげ、感情のバランスをとってくれる。リラックス効果が高いので、副交感神経を優位にし気分を安定させるので、不眠に優れた効果を発揮し良質な睡眠へと誘ってくれる。

②カモミール

主な用途:睡眠、不安の解消、痛みの緩和 【引用:くらしとアロマ

やさしく温かみのある香りのカモミールは、緊張やイライラを取り除き安らぎを与えてくれる。神経をリラックスさせてくれるので、中々眠れないと感じる時などにも良いと言われている。

③ベルガモット

主な用途:気分の向上、不安、ストレス解消 【引用:くらしとアロマ

リラックス作用が高く、気持ちが沈んだり落ち込んだりした時に心をゆっくりと落ち着けてくれる。また神経の緊張緩和にも優れているため、ストレスによる緊張や不安を和らげてくれる働きもある。

具体的な実行内容

部屋を真っ暗にするために、遮光カーテンを使用する。パートナーが同室で眠る場合や電化製品のランプが点灯している場合などは、アイマスクを活用することをおすすめする。

温度

室温は摂氏15~20度の範囲内で調整する。シーツ、ブランケット、衣類で体温調整を行う。

個人差が大きいため、各種ノイズの活用も良いが、思い切って耳栓を使うのも良いだろう。

香り

エッセンシャルオイルを補助的に使い、リラクゼーションや気分転換に活用する。

番外編:羊を数える

オックスフォード大学が行った研究(2002年3月)によると、羊を数えても眠れるようになるわけではない、との結論が出ている。なぜならば、寝る時に羊を数えてしまうと、脳が認知的に興奮し始めてしまい、逆に目が覚めてしまうからである。

羊を数えるよりも、穏やかな光景を思い浮かべる方が良いと、研究では提案してくれているので、みなさんもこちらを試してみて欲しい。

まとめ:疲労回復と睡眠 #2【環境編】

環境改善を行うことで、睡眠の質を向上させ、疲労回復を促進します。光、温度、音、香りの4つの要素を見直し、自分に合った環境を整えることで、より良い睡眠を実現しましょう。

  • :寝室を暗くする(5ルクス以下)
  • 温度:室温は摂氏15~20度の範囲内
  • :各種ノイズ、もしくは耳栓を活用する
  • 香り:補助的に、または気分転換に使う
  • :数えてはならない

トレーニングは一日にしてならず。睡眠も一日にしてならず。あなたにとって快適な睡眠環境を作り、日々の生活やパフォーマンスを向上させてください。

 

【参考文献】
(Amazon)トレーニングとリカバリーの科学的基礎
(Amazon)不老長寿メソッド

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満稀(みつき)
満稀(みつき)
全くボウリングに向いていない運営者
ボウリングに向いている部分は、なにひとつありません。なにひとつ向いていないからこそ、ひとつひとつに対して、ボウリングについて真剣に考えます。
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