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書籍:SIMPLE RULES【ドナルド・サル、キャスリーン・アイゼンハート】

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書籍:SIMPLE RULES

私たちは、日々無数の判断と選択を繰り返しています。「どの服を着るか」「どの順番で家事を片付けるか」「いつ休むか」「どう働くか」。それらすべてに、小さな“ルール”が潜んでいます。

あなたの生活には、どんなルールがありますか?
そのルール、いつの間にか増えすぎてはいませんか?

いろんな人のやり方を真似て、あれもこれもと詰め込んだ結果、かえって不自由になっていないでしょうか?今回は、そんな私たちの生活に新しい視点を与えてくれる一冊を紹介します。

(Amazon)SIMPLE RULES【ドナルド・サル、キャスリーン・アイゼンハート】

『SIMPLE RULES』は、スタンフォード大学とロンドンビジネススクールの経営学教授である2人の著者が、10年以上にわたる研究成果をまとめた一冊です。複雑な状況を「少数のルール」で乗り切るための実践的な知恵を教えてくれます。

著者らは、成功している企業や個人の共通点を調査する中で、興味深い事実を発見しました。それは「最も成果を上げている組織ほど、シンプルなルールを採用している」ということです。複雑化しやすい現代のビジネスや日常を、シンプルなルールによって高速かつ柔軟に動かすことの重要性を、多くの事例をもとに解説しています。

今回は、本書を読んで得た気づきを、私なりの感想を交え3つのポイントにまとめてご紹介しますね。

  • 「複雑」か、「シンプル」か
  • 「具体的」であること
  • 現場で活かす

「複雑」か、「シンプル」か

スピードと実行力を高めるには、シンプル化が不可欠です。 ルールの数が少なければ少ないほど、判断は早くなり、行動の負担も減っていきます。

本書では、ハーバード・ビジネス・スクールの研究として「ルールの数と従業員の生産性は反比例する」という調査結果が紹介されています。つまり、ルールが多い組織ほど、かえって非効率になってしまうのです。

たとえば家事を見てみましょう。

  • 洗濯物は素材ごとに洗剤を変える
  • 料理のメニューごとに道具を変える
  • 皿の種類や盛り付けにルールを作る
  • 掃除の順番を細かく決める
  • 買い物リストを店舗別に作成する

こうした”こだわり”が積み重なると、頭も手間も、時間もお金も奪われてしまいます。一つひとつは合理的に見えても、全体としては非合理的な状況を作り出してしまうのです。

ルールが増えれば、それだけ失敗のリスクやフラストレーションも増えます。「あのルールを守れなかった」「このルールと矛盾してしまった」といった悩みが生まれ、本来の目的を見失ってしまいがちです。

シンプルさは、効率化だけではなく「健全な継続」を支える武器なのです。

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「具体的」であること

もうひとつの重要な視点が、「具体的であること」です。 漠然としたルールは、守られることも、活かされることもありません。

本書では、イスラエルの救急医療現場の事例が印象的でした。医師たちは「心筋梗塞の可能性がある患者」を見分けるために、複雑な医学的知識ではなく、わずか4つの簡単な質問を使います。

  1. 胸痛があるか
  2. 心電図に異常があるか
  3. 胸痛が刺すような痛みか
  4. 発汗があるか

この4つの質問だけで、専門医と同じレベルの診断精度を実現しているのです。

たとえば、「きれいに使いましょう」という張り紙が公共施設にあるとしましょう。これでは、人によって解釈が違い、行動にもバラつきが出ます。

一方で、「ゴミを見つけたら拾う」「汚したら拭く」「壊したら連絡する」などの明確な行動レベルまで落とし込まれたルールなら、実行率は格段に上がります。

私自身の生活においても同じです。 「朝はランニングする」ではなく、 「起きたら、枕元のウェアに着替え、靴を履いて外に出る」 このくらい明確で具体的であれば、習慣にもしやすくなります。

「何をするか」よりも「どうやってするか」まで明確にすることで、ルールは初めて機能するのです。

現場で活かす

ルールは、机の上で考えて終わるものではありません。 現場=生活のリアルで機能してこそ、意味があります。どんなに戦略的で理屈に合っていても、実行できなければやらないこと(できないこと)と同義です。大切なのは、ルールが「実行可能かどうか」です。

本書では、Twitter(現在X)の初期の成長戦略が興味深い例として紹介されています。同社は「ユーザー数を増やす」という曖昧な目標ではなく、「新規ユーザーが10人をフォローするまでの時間を短縮する」という具体的なルールに集中しました。この明確で実行可能なルールが、爆発的な成長の原動力となったのです。

そのためには、「何を重視するか」の優先順位や、「障壁は何か(=ボトルネック)」の見極めが必要です。

仕事でいえば、「メールは即座に返信する」というルールは理想的に聞こえますが、実際には他の重要な業務を妨げる可能性があります。むしろ「緊急でないメールは午後3時にまとめて処理する」といった現実的なルールの方が継続可能です。

自分の生活を見直すときにも、まずは「実行しやすさ」を基準にシンプルルールを設計してみるとよいでしょう。

私がこの本を読んで実践したこと

① 人生はすべてトリアージ

トリアージとは、もともとは戦場医療で使われる「選別」のルールであり、命を救う優先順位を、迅速に判断するための手法です。

本書では、この概念をビジネスや日常生活に応用することの重要性が説かれています。情報過多の現代において、「すべてをやろうとすること」が最大の非効率を生み出すからです。

私はこの考えを、生活や仕事のあらゆる選択に取り入れています。

  • 影響が大きいこと
  • 重要度が高いこと

この2点を軸に、やるべきこと・やらないこと・後回しにすることを即断するようになりました。

例えば、平日の夕方に「今日の夕食は何にしよう」と悩む時間があったとします。以前なら栄養バランスや家族の好み、冷蔵庫の中身など複数の要素を考慮していましたが、今は「15分以内で作れるもの」という単純なルールを優先します。

情報が多すぎる今の時代、迷う時間こそが最大のコストです。だからこそ、自分なりのトリアージルールが必要なのです。

② 「停止ルール」は始める前に決める

何かを始めるとき、多くの人は”やり方”ばかりに目を向けます。でも、引き際をあらかじめ決めておくことこそ、シンプルな行動の鍵になります。

本書では、ベンチャーキャピタルの投資判断を例に「停止ルール」の重要性が語られています。成功している投資家ほど、「いつ投資をやめるか」の基準を明確に持っているのです。

  • 株式投資なら「損失が10%に達したら売る」
  • 山登りなら「体温が下がったら下山する」
  • 人間関係なら「尊重が感じられなくなったら距離をとる」
  • 新しい習慣なら「3週間続かなければ別の方法を試す」

サンクコスト(すでに投資した時間やお金)に縛られて判断を誤らないためにも、「やめるルール」が必要です。

私自身も、趣味や仕事の新しい挑戦においては、必ず”停止ルール”をセットで作るようにしています。このルールひとつで、意思決定が格段にラクになりました。

「もうやめたい」と感じたとき、それが感情的な判断なのか、合理的な判断なのかを見極める基準があると、迷いが大幅に減ります。

③ シンプルルールの注意点

ただし、シンプルルールにも限界があることを理解しておく必要があります。

本書でも触れられているように、シンプルルールは「完璧な解決策」ではありません。むしろ「80%の状況で機能する、実用的な指針」として捉えるべきです。

例えば、「毎朝6時に起きる」というシンプルなルールがあったとしても、体調不良や緊急事態の際には柔軟性が求められます。ルールに固執しすぎると、かえってストレスの原因になってしまいます。

また、状況が変われば、ルール自体も見直す必要があります。子育て中の家庭と夫婦二人だけの家庭では、最適なルールは異なるでしょう。定期的にルールの有効性を検証し、必要に応じて更新することも大切です。

まとめ:書籍:SIMPLE RULES

シンプルなルールは、私たちを縛るためのものではありません。自由に動くための「道しるべ」のようなものです。たくさんのルールを持つことは、安心のようでいて、実は不安定。少数の、でも確実なルールがあれば、生活はもっと軽やかになります。

本書『SIMPLE RULES』は、膨大な研究データと実例に基づいて、この「シンプルさの威力」を科学的に解き明かしてくれます。著者らの10年以上にわたる研究成果が、読者の日常に直接活かせる形で提示されているのが本書の大きな価値です。

ビジネスパーソンであれば、意思決定の速度向上や生産性の改善に役立つでしょう。家庭を管理する立場の方であれば、家事や育児、家計管理における負担軽減のヒントが見つかるはずです。

複雑化した毎日に疲れているあなたにこそ、ぜひ手に取ってほしいと思います。そして、勇気をもってルールを減らすという選択をシンプルに選んでみてください。

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