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書籍レビュー:限りある時間の使い方【オリバー・バークマン】

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『限りある時間の使い方』は、効率化やタイムマネジメントに疲れた人に向けた一冊です。「すべてをこなすことは不可能」という前提に立ち、注意力を取り戻し、休む勇気を持つことで、本当に大切なことに時間を使うヒントを与えてくれます。

書籍レビュー:限りある時間の使い方【オリバー・バークマン】

私は昔から、効率化や合理化が大好きです。仕事でもプライベートでも、タスクをどう短くこなすか、どうすればもっと無駄なく動けるか。それを考えることが一種の習慣であり、楽しみでもあったのです。ところがある時、ふと気づきました。

「効率化だけを突き詰めても、心から満ち足りる生活にはならないのではないか」と。

そんな私に強烈な視点を与えてくれたのが、『限りある時間の使い方【オリバー・バークマン】』でした。

この本は、「人生は思っているよりも短い」という当たり前の事実に改めて向き合わせてくれます。そして、私たちが限られた時間をどう選び取るかによって、暮らしの質そのものが変わるのだと教えてくれるのです。

本書を通して得た気づきを、私なりの感想を交え3点にまとめてご紹介します。

  • 効率化の罠から抜け出す
  • 注意力を取り戻す
  • 強制的に休む

効率化の罠から抜け出す

私たちはよく「すべてをこなすこと(処理能力を上げること)」を前提に行動しています。メールを一気に処理する、会議の準備を効率化する、タスクリストをひたすら消化する…。けれど本書ははっきりと告げます。

「すべてをこなすことは不可能である」

効率化はあくまで手段であって、人生の目的にはなり得ません。忙しさに価値を見出す幻想を捨て、「本当に大切なこと」に集中する。意味のない会議や、気づけば時間を奪うSNS、心をすり減らす人間関係には勇気を持って「ノー」と言う。

私はこの一節を読んだとき、長いこと効率化の罠に自分もはまっていたことを思い知らされました。効率よく片づけること自体が目的化し、結局は疲れを増やしていたのです。

「忙しくしていること=価値がある人間である」という思い込みを手放す必要があります。そして、意味のない会議や無駄なSNSチェック、エネルギーを奪う人間関係には、勇気を持って「ノー」と言うことが大切です。

時間が有限であるというシンプルな事実を受け入れることで、はじめて「本当に大切なこと」に時間を使う選択ができるようになるのです。

他のタイムマネジメント本が「どうやって24時間を最大限に使い切るか」に焦点を当てるのに対し、この本は「何をやめるか」「何に集中するか」という本質的な問いを私たちに投げかけてくれます。

注意力を取り戻す

「現実とは、注意力によって形づくられている」

この一節がとても印象に残りました。私たちは、見つめたもの・意識を向けたものによって、人生が形づくらています。つまり、注意力を失うことは、人生を失うことと同じです。

現代社会は、SNSやニュースアプリは、私たちの注意を奪うために巧妙に設計されています。気づけば次々と情報に翻弄され、気がついたら大事なものを見落としているのです。

この本は「人生には“今”しか存在しない」と教えてくれます。過去の後悔や未来の不安ではなく、いまこの瞬間に注意を向けること。私はこの一文を読んでから、食事中や読書中はスマホを手放すようになりました。小さな習慣ですが、「今ここ」に集中する力が少しずつ戻ってきた気がします。

強制的に休む

「現代人は本が読めなくなっている」という本書の指摘には、思わずドキリとさせられる人は多いのではないでしょうか。スマートフォンやSNSの短い情報の刺激に慣れてしまった私たちは、長い文章や深い思考に耐えられなくなっているのです。

私自身、予定が埋まっている日を誇らしく思っていた時期がありました。何も予定がないと不安になるという、まさに「忙しさ依存」です。私と同じように、「忙しさに依存している」という自分の習性に思い当たる人も多いのではないでしょうか。

バークマンはそんな私たちに、「あえて希望を捨てる」ことを勧めます。すべてをこなせるという幻想を手放し、限られた時間の中でできることに集中するのです。

私が実践したこと

①効率化の罠から抜け出す

効率化・合理化、最適化は大好きですが、何事もほどほどに行うことが大切です。効率化のために、かえって効率を失うような作業をしていては、元も子もないでしょう。私は、「もっと効率的に」と考えたくなった場合は、一旦作業を中断し、時間をおいて冷静になってから、作業を行うように気を付けています。

②注意力を取り戻す

私は、食事中や読書中、寝る前などはスマートフォンに触れないように心がけています。トイレやお風呂などに行く際も、スマートフォンを持ち込む方がいるようですが、私はあえて持ち込みません。スマホで何かを見るときは、せっかくなのでゆっくりとじっくり見る時間を設けるようにしています。特に、片手間でスマホを使わないように気を付けています。

③強制的に休む

先程お話したとおり、私も、以前は予定でびっしり埋まった日をどことなく誇らしく思っていた時期もありましたが、今はあえて「空白の時間」を大切にしています。例えば、週に一度は何も予定を入れない「白紙の日」を作るようにしています。最初は罪悪感もありましたが、今ではこの時間が、創造性や心の回復をもたらしてくれる貴重なひとときになっています。

まとめ:限りある時間の使い方【オリバー・バークマン】

『限りある時間の使い方』は、時間管理のテクニック本ではありません。むしろ「すべてをこなすことは不可能」という前提に立ち、限られた時間をどう選び、どう大切にするかを問う本です。

効率化に疲れ果て、注意力が散漫になり、忙しさに依存してしまった現代人にとって、この本はシンプルに生き直すための羅針盤になります。

欠点があるとすれば、それは「行動するのは読者自身」だということです。けれど、それこそが本書の魅力です。あなたの時間、そして人生と真正面から向き合うきっかけとして、この本を手に取ってみてください。

おまけ:本から広がる暮らしのヒント

ここからは、本から広がる小さな暮らしのヒントを紹介しますね。

私が暮らしにどう活かしたか

『限りある時間の使い方』を読んでから、私は週に一度「白紙の日」をつくるようになりました。予定を入れず、やることを決めない日。最初は落ち着かず罪悪感もありましたが、いまでは心と体を回復させる大切な時間です。効率的に詰め込むより、あえて余白を残す方が、暮らしが豊かになると実感しています。

おすすめKindle端末

時間の使い方を見直すには、情報の摂り方も整えることが大切です。Kindle電子書籍リーダー『Kindle Paperwhite』なら本棚を増やさずに読書ができ、目に優しい画面で集中力も保ちやすくなります。

著者の別作品

オリバー・バークマンには、『不完全主義 限りある人生を上手に過ごす方法』という関連書があります。こちらは「完璧に生きようとする思い込み」を手放し、不確実性や制限を受け入れて過ごす姿勢を提案した本です。

『限りある時間の使い方』が時間の有限性に目を向けさせてくれるとすれば、『不完全主義』は「思い通りにならない人生をどう楽しむか」という視点を与えてくれます。両方をあわせて読むことで、よりしなやかに、そしてシンプルに日常を受け止められるようになるでしょう。

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満稀(みつき)
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