書籍レビュー:理系夫のみるみる片付く! 整理収納術【くぼこまき】

『理系夫のみるみる片付く! 整理収納術』は、片付けが苦手でも合理的に続けられる仕組みを学べる一冊です。作者の実体験と理系夫さんのアドバイスから、家族で片付けを進めるヒントが得られます。
書籍レビュー:理系夫のみるみる片付く! 整理収納術【くぼこまき】
片付けたいのに「何をどう片付けたらいいのかわからない」「片付けてもすぐに元通り」「片付いた状態が長続きしない」。
そんな悩みを持つあなたにおすすめしたいのが、『理系夫のみるみる片付く! 整理収納術【くぼこまき】』です。
この本の冒頭には、理系夫さんの言葉が紹介されています。
片付けるっていうのは、元の場所にすぐ戻せるようにすること
散らかるのは当たり前。大切なのは「すぐに片付けられる仕組み」を家に作ること。本書は、この視点から片付けを見直す物語です。
では、この本で特にオススメしたいところを3点紹介します。
- 作者は片付けが苦手だった
- 理系夫さんの「片付け脳アドバイス」
- 家族と一緒に片付けるという視点
作者は片付けが苦手だった
著者のくぼこまきさんは、冒頭で正直に語ります。「片付けの習慣が身につかないまま大人になってしまった」と。
片付けてもどうせ散らかる、散らかっても死ぬわけじゃない。だから片付けは無駄だと感じていたそうです。私自身もこの部分を読んで、思わず共感しました。私にも「片付けてもすぐに崩れてしまう」経験がありすぎるからです。
しかし、散らかっていることで実は「時間を無駄にしている」ことに気づき、著者は夫に相談します。そこで返ってきた答えは「君も片付けを勉強しなさい」ではなく、夫自らが片付けの勉強を始めることでした。
しかも資格まで取得してしまいます。整理収納アドバイザー1級。ここから「理系夫」の物語が本格的に始まるのです。
この本にあるとおり、どんなに片付けが苦手でも、きちんと片付けのルールを守って、順序良く取り組むことで、きちんと片付けられるようになります。作者の実体験が語られているので、とても勇気づけられます。
理系夫さんの「片付け脳アドバイス」
理系夫さんは、せっかくやるなら合理的に、効率的にと考えるタイプ。ものづくりの現場で培ったメカ設計の考え方を、整理収納に応用してしまいます。
本書の中には「片付け脳アドバイス」という形で、理系夫さんの視点から語られるコラムが収録されています。「メカ設計と整理収納は同じ」―この一言は本書を象徴していると言えるでしょう。
動線をどう短くするか、出し入れをどう効率化するか。雑誌やSNSが憧れの空間を見せてくれるだけに対して、この本は「仕組み」をどう作るかを具体的に教えてくれます。合理化が好きな人には、読むだけで整理欲が刺激されるはずです。
素敵な暮らしを紹介する雑誌やSNSはたくさんありますが、それを実践させてくれる具体的な方法を紹介している雑誌やSNSは数少ないでしょう。この本は、効率的・合理的な片付け、そして具体的な方法を、実際に行った片付けを教えてくれます。
家族と一緒に片付けるという視点
本書で特に心に残ったのは「子どもと一緒に片付ける」という部分です。
せっかくきれいにしたのに、子どもがすぐ散らかしてしまう。よくある悩みに対して、理系夫さんは「お母さんも子どもも無罪です」と笑顔で言います。
問題なのは片付けの仕組みがないこと。だから片付けは家族全員で一緒にやるものだと。ルールを押し付けるのではなく、家族で一緒に仕組みを作り、共有する。その姿勢が本当に印象的でした。
あなたも、ついつい自分一人で片づけてしまったり、家族の意見を聞かずに自分ひとりで片付けのルールを作ってしまったりしていませんか。実際の取り組み方を知るだけでも、家族で片づけるとはどういうことなのか、学ぶことができます。
片付けに悩む人へのもう一冊
「でも、我が家では結局片付けるのは自分だけ」「家族は全然協力してくれない」と思う方もいるでしょう。そんなときに参考になるのが、『家族が片づけられない【井上能理子】』 です。
片付けは簡単ではありません。だからこそ仕組みを考え、家族と共有する必要があります。本書とあわせて読むと、片付けに対する視点がより広がります。
・詳しくはこちら
→書籍レビュー:家族が片づけられない【井上能理子】
まとめ:理系夫のみるみる片付く! 整理収納術【くぼこまき】
『理系夫のみるみる片付く! 整理収納術【くぼこまき】』は、片付けが苦手でも実践できる合理的な方法を紹介する一冊です。作者の「苦手だからこそ」という視点と、理系夫さんの「仕組みで解決する」という視点。両者が合わさることで、読者は「片付けは誰でもできる仕組みづくりなのだ」と気づかされます。
本であるからこそ、自分のペースで学べ、急かされずに実践できる。片付けに悩むあなたに寄り添ってくれる良書です。
おまけ:本から広がる暮らしのヒント
ここからは、本から広がる小さな暮らしのヒントを紹介しますね。
私が暮らしにどう活かしたか
「散らかるのは当たり前」という言葉に出会ってから、完璧を目指すのをやめました。「すぐ片付けられる仕組み」があるだけで、日々のリセットが格段に楽になります。
おすすめKindle端末
整理収納を考える人にこそおすすめしたいのが、Kindle電子書籍リーダー『Kindle Paperwhite』です。収納スペースを取らずに本を楽しめるのは、片付けの観点でも大きなメリットです。
著者の別作品
くぼこまきさんと理系夫さんは、片付けだけでなく「お金の管理」にも目を向けています。著書 『お金の不安すっきり解消!理系夫の家計大作戦』 では、家計の仕組み化を通じて不安を減らす方法を、片付けと同じく合理的に紹介しています。
数字や家計簿が苦手でも、ルールを整えれば安心できる。そんな視点は、整理収納と同じ「仕組みで暮らしを楽にする」という考え方につながっています。片付けと家計、両方を整えたい人にはセットで読む価値のある一冊です。